ねL(以下ね)
すてれおはいばい代表。ミックス、ボーカル(Tr-4)担当。
tks(以下t)
すてれおはいばいに実は正式加入している。歌詞、ジャケットデザイン担当。
はーちゃん(以下は)
今回のゲストというか主役。作曲担当。
ね:さーて始まりました、第一回!チキチキ誰も得しないPrism製作秘話ポロっと本音も出ちゃう座談会(長 ←この表現が古い
t:古いわwww
は:www
t:そのノリはいらなかった
ね:すんません
は:昭和のにおいがする
t:編集で消すまであるやつ
――さて、気を取り直しまして、今回の企画、事の発端は?
ね:事の発端はいつごろだったか
t:いつでしたっけ
ね:あー、去年のM3終わったあとあたりかな。冬コミ何作ろうって話を例のそば屋(※1)かどこかで話してた時に…
t:あー思い出した。そう、はーちゃんの曲を音源化してほしかったんですよ。10年前に作ったやつ。だから「はーちゃんの曲やろうぜ」って言った。本人不在で。
ね:で、冬まではいきなりすぎんだろ、と次のM3の日程見たら4/27とか書いてあってね
t:ですね
ね:これはなんとしても間に合わせなアカンな、と。
t:本人不在でね。
ね:それな
t:で、その後はーちゃんに会ったとき、話を持ちかけてみたら是非ということになりまして。
は:その辺細かいことは知らんが乗ってみた、という軽いノリでした。
t:その流れでとうとうこんなことに。
――なるほど。
ね:しかしまぁ、すてれおはいばい的には結構な冒険でしたよ、今回初な事柄が多すぎて。
t:いつもと全然違うことやってますしねえ
は:そうなのですか?
ね:今までCD自体は13枚くらい出してはいるんですが、全部手焼き、いわゆるCD-ROMにパソコンで焼く形式でした。が、今回はプレスCDです
は:なんとそこから
ね:初プレスですよ、半永久に残っちゃいますよ(※2)
t:今まで盤面真っ白でしたからね
ね:やー、序盤のCDはちょっとがんばってましたよ!
――プレスだと、何かいつもと違ったことはありましたか?
ね:まず、前日ギリギリまで作業出来ないってことですかね。
t:まあ、いつもはイベント朝まで何かしら作業してますしね。
ね:良くない傾向です。
t:むしろイベント会場でケースに歌詞カードセットしてましたね。
ね:良くない傾向です。
――(笑)他には何かありましたか?
ね:そうですねぇ、mp3での確認のあとwavで確認したり、CD焼いて確認したり、イヤホンで確認したり、とにかく何度も完成版を聞きました。プレスだとやはり発行枚数も増えますし、目指すハードルが上がるというか
t:はーちゃんにもかなり確認してもらってね。
は:その辺、凝りだすと終わりが見えないので…聴きすぎて夢にも出てきた。
ね:私も常に頭の中流れてました(笑)いつも完成が直前で、その辺に時間かけられていなかったので、仕上げのやすりがけみたいな部分でかなり経験できたなーと思いました
t:なるほどー
ね:あと、フルで生ボーカルアルバム作ったのもこれが初ですねぇ。たまにオマケとかで自分でボーカル入れた曲をちょこちょこ入れてましたが
t:ボカロメインですからね。
ね:はいー、最初はMac音さんシリーズからはじまりましたが、Lilyさんが登場してからはもっぱら活躍してもらってます
――ねLさんは、今後自分の曲でプレスCD出す予定はありますか?
ね:自分の過去曲をリミックスしたアルバムとか、そういう大掛かりな奴はプレスしてみたいですね
――なるほど。ジャケットについてはどうですか?
t:歌詞カードは今までも刷ってもらっていたので、締め切り早い以外にはあんまり変わりなかったですね。レーベルやインレイがあったり、ページ数多いのは初めてではありましたが。…あ、写真ジャケが初めてでしたわ。といっても、歌詞カード作った回数自体が少ないですけども。
ね:キャラものばかりだった中に異色なジャケットになったことは間違いないですね。過去ジャケット並べるのが楽しみです
t:描くのと比べるとやっぱり作業自体は楽でしたね。歌詞カードのレイアウトに合わせて撮った写真じゃないのがほとんどなので、意外と配置に苦労はしましたが。
――はーちゃんは、自分の曲でCD出すっていうのは初めてですか?
は:初ですよん
t:はーちゃんの曲好きなので、今後もちまちまやってもらえると個人的にすごく喜びます。
――今回、ミックスはどんな作業でしたか?
ね:midiデータの楽器を当て直して、エフェクトをかけたり、楽器によってはオクターブを調整したり。演奏の構成は私よりずっと上手く組んであるので、基本的に原曲midiからさわってないです。あとで足したストリングスとか、全部とっぱらいました(笑)
――そういえば今回の5曲、全てはーちゃんが10年ほど前に作曲したものですよね?
は:10年前に自分が聴いてた曲とか、影響を受けたものがよく分かるなぁ、と
t:たとえば?
は:somedayはTWO-MIX、アンラッキー日和はスピッツだろうな
t:なるほど。
は:prismとかsomedayでごちゃごちゃしたのを作った反動で、グラヴィティとかアンラッキーは割とシンプル構成を目指してた記憶がある。無題?無題はノリだよ。
※1 最近すてれおはいばいの打ち合わせ恒例となっている、値段設定のおかしい店
※2 CD-ROMは劣化が早く10年程度で再生出来なくなることがある。プレスCDは長いと60年とも。
――では各曲についてお願いします。まずは「無題」についてですね。
t:これはほんとノリでできた曲なんですよね
は:うん。1時間位しかかかってないかと
t:わたしもわたしで、「これは歌詞をつけねば!!!」と思って、聴いたその日に書いた。
――それは早い。
t:あ、初作詞がこれです。それまで作詞しようとかしたいとか思ったことなかったと思うんですが、なんかこれは書かねばってなって。
は:詞が付いてしまって「てきとーに作ったのにこれはやばい」と思った。
ね:私はこの企画で改めて数年ぶりに聞いた時、合唱曲のような印象と、作りかけ?って印象を同時に受けました。あまりにも単調なコードの繰り返しだったので、とりあえず進行だけ用意した感じかなと
t:ノリでできたから仕方ないあたりですかね
ね:右手で鍵盤バンバン叩いてるような、とりあえず最初から最後まで同時に鍵盤が鳴ってるはずです。はーちゃんさんの曲はどちらかというと、綺麗なアルペジオが特徴的なので。
は:作りかけっていうのは当たりで、ただ、ここからどうしようかなっていうのが思いつかなくて、とりあえずそれでうpした
t:そうだったのか…。でも、曲にしろ歌詞にしろ、当時のそのノリで作った感を残しておきたかったので、いい形におさまったかなーと個人的には思ってます。
は:そやねぇ。時が経ちすぎて手を加えるのが色々難しくなった曲
t:あ、タイトルもだ。当時全然タイトル思いつかなくて、今回考えても良かったんだけど、そのまま無題にしておくか、とこうなりましたね。今考えても馴染まなさそうだったっていうのもあるけど。
――ボーカルは気持ち良い高音が出てて、非常によいですね。
t:これは女性ボーカルで、とはーちゃんから指定があり、歌える人いるのか…と思ったけど、こりんさんはよくやってくれましたね。さっきのノリで作りました事情も説明して「ノリで歌ってください」って本人にも伝えました
は:この曲に関しては、一生懸命さが出ても良いので、一生懸命高音をだしてもらいました
――ミックスはいかがでしたか?
ね:合唱ピアノとロックなドラムって組み合わせは凄く斬新でミックス迷ったけど面白かったです
t:あー、確かにその組み合わせは珍しいかも?
は:たしかに。
ね:ドラム抜いてピアノ伴奏をガッツリ入れて、合唱曲リミックスしたら面白い気がしてます
t:じゃあ次のはーちゃんアルバムのおまけトラックで
ね:混声四部で
は:その前に音域等々見直さないと合唱できる気がしない(笑)
t:いやーでも音域下げたら別物になる気が…下げても違和感ない神リミックスに期待?
は:混声マジックを利用して、音域が合うパートにメロディを振り分けるとか…ずっとソプラノだと多分壊滅する。
ね:オク下テノールパートの裏でよもよもしてる女声パート考えるの楽しそう
――では、続いて「someday」についてお願いします。
は:これも歌詞は後付ですな。
t:10年前じゃなくて今回収録決まってから書きましたね。
は:イメージ通りでうあああってなった
t:まじですか。ありがとうございます(平伏)
ね:ボーカル担当のまりあさんも良い必死さで歌い切ってくれたと思います
t:わたしは「かっこよくおねがいします!」とか言って丸投げして帰ったんですが、良い感じに歌って頂けてね。
――かっこいい曲ですよね。
ね:先にはーちゃんさんが言ってましたが、これはもうTWO-MIXとしか
t:いやー、かっこよくてこれほんと好きですよ。確かにTWO-MIXも好きですが
ね:今回の収録曲の中で、一番インストがかっこいいのはこの曲だと思ってます
は:この頃の作りこみは、自分偉いなぁと()
t:(笑)いや、でもほんとすごい好きで10年間わりと頻繁に聴いてた。
ね:よく15トラックでここまで、と感心しました(※1)
は:作曲全盛期の頃だなぁ。今の自分がそこから成長してない(むしろ退化)ので、久々にこの曲聴いて、がんばらんとなぁと思ってる次第。
t:期待してます!!!
は:ひー
※1 はーちゃんの使用していたMIDI作成ソフトで扱えるのが最大15トラック+パーカッション3トラック。
――続いて「グラヴィティ」についてお願いします。
t:これは詞先ですね。書いておいたらいつの間にか神曲がついていた感じの。
は:うみゅ。神曲かはしらんが
ね:個人的には今回の収録曲の中で、一番気に入ってます。確か、ミックスも一番最初に完成した気がします
は:無題と逆で、詞を見てこれは作曲せねばと思った曲。
t:自分では曲がつくと思ってなかったくらいですが、今回のボーカルのお二人もこの詞が一番好きと仰っててびっくりでした
は:電子音でごちゃごちゃしたのを作るのに飽きて、シンプルだけどちゃんとした曲が作りたかった。
t:間奏のあたりが、こう、ぐっとくる。
は:普通に最初から作り始めたのだけれど、最後の4小節が決まって、うおおktkrとなったのを覚えている(
――ボーカルについてはいかがですか?
ね:実はレコーディングする前に、曲調的にボーカルはまりあさんかなーと思ってた(というか、そのつもりで声かけてた)んですが、こりんさんバージョン聴いて「これは…!」ってなりました(※1)
t:そうそう
は:そうなんよね。どっちに歌ってもらうか相当迷った
t:一番迷ったね。時間あれば両方収録してもらって片方extra-tracにでもすればいいんじゃないかな、とか提案したかった
ね:完全に時間が足りませんでした! 足りてたら無題以外extraバージョン用意してもいいくらいでした(※2)
は:4曲とも準備してくださった二人に感謝です本当に。
――他、ミックス等では何かありますか?
は:グラヴィティは自分の中ではすでに完成されていた曲なので、編曲、ボーカル両方に相当口出ししたかもしんない。
ね:すごくいっぱいリバーブかけました
は:リバーブは歓迎。
※1 アンラッキー日和以外の4曲は、レコーディング当日にボーカル担当を割り振りました ※2 音域の関係で無題はこりんさんになりました
――では、続きまして、「アンラッキー日和」について。
ね:すんませんでした(第一声)
は:そこでまなふろさんが謝ったら、私は全曲でまず最初に謝らないといけない
t:いやいやいや!
――これはボーカルがねLさんなんですね?
ね:今回大変お世話になったStudio KPPさんで他の4曲は収録したんですが、残念ながらこれだけ別録りなんですよね
t:自宅で収録されてたやつですね
ね:ボーカルレコーディング打ち上げ会場の片隅で、歌詞のリズム打ち合わせするはーちゃんさんとねLの図
は:おまえらめしくえと
t:(笑)
ね:牛タン食べてる横でアカペラでユニゾンする二人、たまにズレるのでそこをメモる くりかえし
t:まあ、そーいうのメールやら何やらでやりとりするのにも限度がありますからね。(※1)
ね:ものの5分くらいで終わりましたね、対面って大事だなーと思いました
は:そですね。
――歌詞については。
t:これも詞先ですね。曲つくと思ってなかったやつ
は:詞の文字数とかがいい感じで、曲をつけるのは楽でしたよ。
t:あー、この頃はだいぶ文字数とか意識してた。
は:確かサビから作り始めて、イントロまで作ったとこで「あースピッツぽい。バンド系かそうかそうか」ってなったんだと思う。
ね:バンドサウンドといえばギターですが、midiを見て目を疑いました
は:独学で作曲してるので、ギターの使い方がむちゃくちゃ。
ね:これは弾けない(物理的に)
は:♪〜(・ε・;)
ね:(笑)…とはいえ曲全体の構成は問題なかったので、ベースのオクターブ上でルート音刻んだり、2番のAメロにちょっとしたソロ入れたりしたくらいで、ほとんどそのまま使ったような気がします
は:いつか生演奏できるように誰か譜面におこしてくれないかな(チラッ
t:(チラッ
ね:生ギター入れようかなーって案もあったんですが、まとまった録音時間が取れず断念。今後、生録バンドサウンドでリメイクしてみたいですね
は:おおお
ね:私はギターに関しては全然なので、弾ける人捕まえてってスタイルになりそうですが。将来的にはステージで演奏とかしてみたいですね。…生演奏企画は、10年経つ前に実現したいと思います
※1 普段のやりとりはメールで行っていた
――では最後に、「prism」について。デュエットなんですね?
t:これは、(まりあさんとこりんさん)二人にそれぞれ歌ってもらったのを聴いて、「デュエットだ!」ってなりましたね。
は:デュエット案が思い浮かんだときは、よくやった自分と思った。二人の声色が合うんだなぁ。
t:案の定はーちゃんも同じこと思ってて、なおさらデュエットしてもらうしかないと確信した。それまでは完全にソロ曲だと思ってたのに。
ね:当日ユニゾンよろ、って無茶ぶりにもかかわらずやり切ってくれたボーカル2人にまず感謝ですね。
は:アルバムタイトル曲で終曲らしい、豪華な曲になりました。
ね:Prismの〆がprism、なるべくしてなった配置な感じはしますね
――ボーカロイドも使用していますね。
t:コーラスの音域がすごく高いので半分諦めてましたがゴリ押しして入れてもらいました。サビ部分のコーラスに至っては入稿直前に考えてましたけどね。歌詞。
は:よう考えてくれました
――ミックスはいかがでしたか?
ね:ミックス的には、良くも悪くもこりんさんの声抜けが良くてバランス取るのが大変でした。ちゃんとした2人ボーカル曲も今回初めてなので、いろいろ試行錯誤しましたね
t:ほほー
ね:2人重なるところとか、ボーカルが切り替わるところとか。エフェクトかけすぎるとお互いの声が似ちゃうので、なるべく個性を残したまま、というのはちょっと意識しました。つかず離れず、いいバランスのデュエットパートになったのではないかと思います
t:ですねえ。(ボーカル収録後の)仮音源聴いて一番感動したのがこれだ。
ね:StudioKPPの七誌さんが仮歌録音の時に「自分が作った事のない爽やかな曲で、ピッコロの音色が心地よかった」って言ってたのは覚えてます
――作曲者としては、今回のミックスはいかがでしたか?
は:今回の企画で生まれ変わった曲という意味では、prismが一番化けたかな。他の曲も10年ぶりに息を吹き返したけど、特にprismが生まれ変わったという感じがする。
t:ですねえ
ね:ミックスしてる側としてはその辺麻痺しちゃうので、どの曲も変わったけど、そんなに変わってないような感覚ですねぇ
――歌詞については何かありますか?
t:これもsomedayと同じく、10年前ではなく収録決まってから書いたやつですね。なんかもっと明るい歌詞にしようと思っていたのにどうしてこうなった。
は:そんなに暗いかな?
t:なんとか軌道修正しまくった結果がこれ。しかし最初はもっとキラキラしたものを書こうとしていた。書けなかったけど。
ね:今回のCDとは関係ないですが、ログアウトの時も随分暗い歌詞書くなーと思ってました
t:暗いの書いてたほうが楽しいんよ。自分が書いたの9割暗いわ。曲ついたのが残り1割に含まれるアンラッキーとグラヴィティで良かった。
は:都合(※1)でサビの音数がめっさすくないんですが、結果的に歌詞が印象的に聞こえてよかったということにする。
t:結構言葉選びに気は遣った。音数少なくて悩んだけど、いざ決まってみるとちょうど良かったなあと思う不思議。
――今回、アルバムタイトルにも引用されていますね。
t:ほとんどジャケット写真ありき(のタイトル)、って感じですが。
ね:でもなんだかんだ、かなりハマったタイトルになったと思います
t:ですね。
は:うみゅ
t:写真が全くない状態からでもprismを推したんじゃないかなーとは思う。5曲の中のどれかから引っ張るとすれば。
は:5曲を代表するなら、私もprismを選ぶなぁ。
ね:いつかやりたかったCD化なので、somedayもアリかなーとは思いましたが、中の歌詞では「いつかは来ない」っていってるので(笑)
t:来ません(笑)「またいつかね」って言われても信じちゃだめよって歌なので(?)
――曲から離れますが、このジャケットは?
t:ジャケットを含む、夜景系の写真はすべて都庁展望台から撮ったやつです。入稿締め切りの関係で撮影ラストチャンスな日が曇りで焦った…
――なるほど。ありがとうございました。
※1 大人の事情。
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